日日是気付

答えがないって分かっててもなぜか考えちゃうこと

フラッシュバック

 

「今日去年の卒業式の匂いがする」

って言うと反応はふた通りで、

なにそれ?詩人? か、わかる!

です。

 

ちなみに今まで共感してもらえたのは3人しかいない(両親含む)

 

風の匂いっていうのがあるんです。

 

まあこれはその鼻を持ってる人には理解されるし、わからない人にはわからないので、説得するものでもないし、とにかく、風には匂いがありますってことで話を進めます

 

ときに、風の匂いが記憶をフラッシュバックさせることがある。

 

あぁ、なんか懐かしいなこの感じ、なんだっけ...あぁこれ卒業式だ。

みたいな。

 

今日は、図書館の匂いだ。だった。

 

私の高校は三年生はセンターが終わると、「自宅学習期間」で、卒業式の前日まではもう授業がなかった。

つまり、みんな家か予備校で勉強するわけだけど、私は学校の図書館にいた。私の高校では図書室を図書館と呼んだ。

 

毎日8時くらいに起きて8時57分の電車に乗るのが私の受験期の直前期の習慣だった。

 

予備校の無機質な空間がなんか嫌いだったから、私はだんだん予備校に寄り付かなくなってよく学校で勉強するようになっていた。

 

今振り返ると、めちゃくちゃ良かったな、と思う。

 

図書館には仕切られた机が25席くらいあって、ちらほら知ってる顔もある。

あ、クラスのこの人もここで勉強してるんだ、と、となりに人がいる暖かさというのはすごく心の支えになる。

昼ごはんは毎日4人で、寒い食堂でお弁当を食べていた。

受験期っていう独特の緊張感の中、張り詰めた空気が一瞬緩む唯一の時間で、贅沢にさえ感じられた。

人気も、暖房もない、受験期の乾いた食堂ででも私たちは笑っていて、何を話して笑っていたのかもう覚えていないけど、私たちは笑っていた。

 

「私、ここしか行きたくないから、ここがダメだったら浪人する」

って友達の話を聞いて、受かったところがあるのに浪人するっていう考え方が理解出来なかった私は、素直に、あぁすごいなと思ったし、自分は意識が低いのかなとかも思った。

 

一発目の私立の入試の前の日に緊張してたら

「何言ってんだよ、大丈夫だろ〜」って理科の先生が購買で欲しいものを買ってくれた。

 

東京で雪が降ったあの日も、白く積もった街を図書館から見た。

 

本命の前日は、図書館が開いてなかったので、学校で勉強してた人たちがA組の教室にみんな集まって勉強してたら、学年の先生がエールを送りに来てくれた。

「まあまあ、頑張ってきな。そう簡単に人生変わんねえから。」

 

 

 

 

うまくは言えないけれど、ボロい図書館と食堂で過ごしていたあの日々は、私の宝物だ。

何にも変えがたい、人に誇れる時間だった。

一つの大きな目標に向かって何かを頑張ってる姿っていうのはかっこいいですよね。周りの人達がかっこいいなと思いながら、自分もその中の1人であることがとても嬉しかったし、頑張ろうと思えた。

 

 

受験は団体戦

とはよく言ったものだと思う。

 

受験は孤独です。

でも、支えとなるのは間違いなく人で、周りに同じ目標を持つ人がいる環境で受験期を過ごせた私はつくづく恵まれていたと思う。

 

 

 

 

そんなことを思い出した今日の風

 

あの日々は、この先もずっと私を支えてくれるだろう

 

懐かしいな

 

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その人たちと久し振りにあった時のお気に入りの写真。うほ。